米国国防総省もビットコインを警戒、「セキュリティリスクとなり得る」
米国国防総省(DoD)では、職員の採用条件にビットコインを保有していないことを追加するか否かの議論が湧き上がっている。DoDの一部の職員は、ビットコインの保有者が国防の観点からセキュリティリスクに繋がると主張している。
DoDは職員にビットコインや他の仮想通貨の保有に関する報告を現在は求めていない。DoD傘下の国防サービスは今年2月、職員からビットコインの所有に関する質問を多く受け取っていることを報告している。
内部ではビットコインの定義に苦しんでおり、投資対象であったり決済手段であるとする者がいる一方、仮想通貨が潜在的にマネロンや違法ドラッグの購入などの違法取引に使われるツールであると主張する者も存在する。
DoDは今後、金融取引を規制する米証券取引委員会(SEC)や商品先物取引委員会(CFTC)、または財務省などと定義に関する意見交換も行っていく。国防の視点と金融取引の視点では、規制方針が異なるからだ。仮にDoDが仮想通貨を外国の通貨として定義した場合、税制などの扱いも変わるため米国国内歳入庁(IRS)とも認識のすり合わせを行う必要性がでてくる。
ビットコインを規制することは、インターネットを規制することに近い。技術を理解せず規制しようとすれば、あらゆる場面で混乱が生じることになる。
例えばビットコインのアドレスは無数にあり、個人情報に紐付いていない。ユーザーはアドレスに紐付いた秘密鍵で電子署名することをもって、ビットコインの保有を証明できる。その一方で、秘密鍵を暗記することもできるため、秘密鍵を持っていないことを証明することは現実的に不可能だ。
ビットコインの所有の有無を報告させたとしても、その情報に偽りがないかを確かめることは非常に困難であるといえる。
ビットコインは誰にも止めることができないネットワークを作るためにブロックチェーンを活用している。ユーザーは個人でノードを立ち上げることでいつでも、ネットワークに参加することができる。
最近閉鎖されたウェブサイト「漫画村」のように、ユーザーとデータを繋ぐ中間にプロバイダーのようなネットワークの管理者が存在すれば、政府はプロバイダーにデータ通信を遮断するよう要請することで、ネットワークを強制的に止めることができる。
しかしビットコインは無数の個人がノードを立ち上げているため、政府などの規制当局からの干渉を受けづらい。ネットワークを完全に遮断させるには、それぞれの個人のノードのデータ通信を停止させるしかない。
規制当局はビットコインを止めることができないネットワークであることを認識する必要がある。そしてどう向き合うのかというスタンスで規制方針を決めていった方が、効率的でありかつ規制される側への混乱も最小限に抑えられるのではないだろうか。
引用元: ビットコインニュース
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