ビットコインは長期レジスタンスに最接近、3月の値幅が記録上最も低いボラティリティに|仮想通貨市況
- 仮想通貨市場
- 株式市場の大幅安やトルコリラ乱高下など大荒れ模様の中、BTCなど仮想通貨市場は好ファンダの援護もあり反発を見せる。現在は、昨年何度も阻まれた日足レジスタンスラインの攻防に差し掛かっている。
金融市場と仮想通貨
本日の東京株式市場は、一時前日比400円安となるなど、大幅続落した。米国株安の影響で売りが先行したほか、リスク要因としては新興国通貨安も意識されている。
背景にあるのは、22日に昨年の通貨危機以来の下落率を記録した「トルコリラ」の暴落だ。チャートを確認すると、BTC以上の乱高下を見せている。(下図)
トルコのエルドアン大統領は27日、自国通貨のリラ安を防ぐため、投機売りを困難にする措置を国内銀行に命じたが、これが逆効果に。自由な売買を抑制したことで流動性枯渇によるリスク不安が急速に高まり、投資家が株や債券を大量売却。トルコ市場から撤退する動きが加速したという。
経常赤字国のトルコでは18年夏にも通貨危機が発生、インフレによる食糧品の値上がりや失業増加で国民生活を直撃している。
なお、2月後半に英仮想通貨投資ファンド「CoinShares」が、ヨーロッパ各国に向けて実施したアンケート結果によれば、トルコの仮想通貨保有数が最も高いことが判明した。昨年11月にビットコインが急下落した際も、トルコ国内の仮想通貨取引高は37%急増している。
.@ING_news‘e göre, Avrupa ulkeleri içinde Türkler kripto para sahipliginde % olarak birinçi sirada yer aliyor. Türk yatirimcilari ve start-up’larinin bu buyuk basarisindan dolayi bir Türk olarak gurur duyuyorum.
h/t @fundstrat pic.twitter.com/20eTGbdyL0
— Meltem Demirors (@Melt_Dem) February 27, 2019
さらに27日、大手仮想通貨取引所OKExは、トルコ国内でのC2C取引(消費者同士の売買)を開始したことを発表。リラの急落が背景となり、トルコ国内での仮想通貨の需要が高まることが予想される。
What an event! Thanks to everyone who joined us for the #OKExC2C network launch event at #Istanbul. We absolutely love this beautiful city and the wonderful #blockchain community here. is now available in Turkish! #crypto #bitcoin pic.twitter.com/TPFZMlTDsx
— OKEx (@OKEx) March 27, 2019
ビットコインテクニカル分析
ビットコインは、チャネル内を推移しつつ、ペナント上限付近での攻防にも見受けられる。三尊からの下落を否定して急反発を見せており、現物買いも観測されていることから、押し目順張りロングが増えているとの指摘がある。
日足で確認すると、現在は、長期レジスタンスラインに差し掛かる分水領にある。ここを抜けきることができれば、上に飛ぶ可能性もあるが、ショートが入りやすい価格帯で押し込まれれば、bitFlyer42.5万円のネックライン付近や41万円付近のサポートラインを目指す展開も考えられるため、慎重に見定めたい。
低ボラティリティは仮想通貨への関心度向上か|仮想通貨有識者が語る
ビットコインは今までに沢山の記録を打ち立ててきたが、その多くは良いものとは言えなかった。しかし、この最も有名なデジタル通貨は、仮想通貨の専門家に希望を与えようとしているかもしれない。
仮想通貨アナリストであるMurad Mahmodov氏は、米経済メディアMarketWatchの取材へ応じて、ビットコインのボラティリティに関する分析を以下のように行なった。
ダウジョーンズのマーケットデータによると、3月のビットコインの値幅は7.8%で、もしこれが続けば、記録上最も低いボラティリティになるだろうとしている。
同氏は、「ボラティリティ自体は中立なシグナルだが、歴史的にビットコインにおけるボラティリティの低い期間は、特に11月、12月に見られたような高いモーメンタムの投げ売りのあとは、常に長く続くブル相場に先行してきた。」と述べた。
ビットコインの歴史的値幅
経済学者Nouriel Roubini氏のような仮想通貨懐疑主義者は長年に渡って、2017年の終わりに月の値幅が100%を超えたようなビットコインの過剰なボラティリティがデジタルアセットのメインストリートの採用を妨げるだろうと主張してきた。
また、昨年10月の上院の仮想通貨とブロックチェーンに関する公聴会で、ニューヨーク大学スターン・スクールの経済学の教授はボラティリティに関して以下のように発言した。
だれもビットコインに値段をつけないだろう。受け入れた小売業者は殆どいない。そして、1日で20-30%も価格が変動するので、価値の保存機能を果たしていない。そしてその値段はとても不安定で、ボラティリティも高く、殆どの小売業者は支払い手段としてビットコインを利用することはない。
しかし値動きの幅が収まるにつれて、業界の専門家にはそれがポジティブな関心を集めると自信を持つ者もいる。長期に渡る安定とともにビットコインへの関心は、人々がビットコインを買おうとするにつれ、高まっていきそうだと、イギリスを拠点とした仮想通貨取引所の「CoinCorner」のCEOであるDanny Scott氏は発言した。
一方で、仮想通貨専門のポッドキャストのホストを務めるMarty Bent氏は専門家たちはこの小康状態が続くと考えるべきではないと発言している。
私は、今のボラティリティの低い状態が長く続くとは考えられない。
Bent氏によれば、3月の停滞は、成熟した市場ではなく疲弊しきった市場という表現が与えられるべきだという。
また、ビットコインが突然伝統的な資産のように成熟するという考えは起こりにくいと指摘した。
現段階で、ビットコインのボラティリティが無く、完璧なスケーラビリティを持ち十分に非中央集権化されていると考えるのは未熟である。
引用元: CoinPost
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