Facebookがステーブルコインを開発、プラットフォーム内での活用方法を模索
Facebookはプラットフォーム内で利用できる電子通貨の開発を行っており、ドルの価格にペッグしたステーブルコインを活用する方向で動いている。WhatsAppを通じてユーザー同士が取引する際に使われるようだ。
同社は2014年にWhatsAppを買収している。SNSで電子通貨のやり取引ができるようになることで、より簡単に国際送金を行えるようになる可能性もある。
ブルームバーグの報道によると、Facebookは金融システムが安定しないインドのような国でステーブルコインの需要が高いと考えているという。インドでは2016年にモディ首相が突如として高額紙幣を廃止することを決めたり、今月、パテル中央銀行総裁が任期を待たずして辞任するなど金融システムが不安定であることを露呈している。
インドでWhatsAppを利用するユーザー数は2億ユーザーにのぼる。また、国外からインドへの国際送金は2017年の実績で690億ドルと盛んだ。Facebookはステーブルコインを利用し国際送金需要を取り込む狙いがあるようだ。
今年に入りステーブルコインを発行する企業が増えており、暗号資産業界では一種のビジネストレンドとなっている。Poloniexの親会社であるCircleはUSDC、GeminiはGUSDというステーブルコインをそれぞれ発行している。ユーザーがステーブルコインを発行する際の手数料が利益となる。
しかしステーブルコインを実際に運用するには厳格な規制が求められる。2017年にプロジェクトをスタートさせたBasisは今月、規制を理由に運用を断念することを発表した。Basisトークンが証券や社債に該当する可能性があり、プロジェクトチームはネットワーク上でどのような取引が行われているかを詳細に把握する必要があり、規制当局への報告義務も発生した。
規制に従うとネットワーク上の取引を監視することになるため、ブロックチェーンがもたらす検閲耐性を著しく損ない、Basisが構想していた自由なネットワーク上の金銭のやり取りができなくなる。Basisは、プロジェクトをスタートする際に集めた資金の残額を投資家へ返却することを発表している。資金調達総額は1.3億ドルだったと報告されている。
ステーブルコインの市場が拡大するにつれ規制はより厳しくなることが予想される。そうなれば、潤沢な資金を有する企業やロビー活動を行う大企業でなければコンプライアンスを満たすことが難しくなるだろう。
Basisのケースは残念な形で幕を閉じたが、ステーブルコインの分野が発展するとIT企業も送金サービスをプラットフォームを通じて提供できるようになり、金融をよりダイナミックに進化させてくれるかもしれない。
引用元: ビットコインニュース
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