市場のクジラ、イーサリアムを積極買い増し Diarが調査
仮想通貨の市場調査を行うDiarが新たな報告書を公表した。報告書によれば市場は弱気な一方、大口のプレイヤーが仮想通貨を買い集めている実情が浮き上がってきた。
イーサリアム(ETH)のクジラは2017年だけで80%もETHの保有数を伸ばしている。「クジラ」は市場における特に大口の投資家を指し、市場の価格形成に大きな影響力を持つ。Diarは仮想通貨のアドレス分析を行うTokenAnalystが提供するデータを用い、クジラの資金経路を調査した。
クジラのイーサリアム保有数は11月時点で約2000万ETHに上り、市場に出回っているETHの約5分の1に相当する。その一方で、価格が大きく下落しているため保有金額は約18億ドルと年初の152億ドルから88%低下してる。現在のETHの価格は今年1月に記録した最高値1390ドルから約94%下落した92ドルほどで推移している。
クジラが大量のETHを集めている背景には、将来予定されているイーサリアムのアップグレードがあると考えられる。イーサリアムはコンセンサスアルゴリズムを現行のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行する計画がある。
PoSへ移行後にマイニングを行うには32ETHをステークする必要がある。多くのETHを保有しているユーザーは、PoSを通じてさらに多くのETHを取得することができるシステムとなる。
イーサリアムの開発チームは先週、次のアップグレードの予定を公表した。7,080,000ブロック目で行われるハードフォークでは、マイニング難易度が急上昇する「ディフィカルティボム」と呼ばれるプログラムを撤廃し、マイニング報酬を3ETHから2ETHへと変更する。
仮想通貨市場は下落相場が続いているものの、トークンが特定の場所に集まってきている現象はビットコインにも見られる。投資信託であるGrayscale’s Bitcoin Investment Trust(GBTC)が管理するビットコイン数は、今月20.3万BTCにまで増加し、総供給量の約1%を占めるに至った。今年1月時点でGBTCが管理していたビットコインは17.2万BTCだったことから、保有数は1年間で約15%成長したことになる。
一方、ビットコインも価格が大きく下落しているためGBTCの預かり額は8.2億ドルで、今年1月の25億ドルから約67%下落している。
今年に入り市場で新たに話題となったのが米ドルに紐付いたステーブルコインだ。以前まではテザー(USDT)がステーブルコイン市場におけるほとんどのシェアを誇っていた。しかし、現在は発行元であるテザー社の運営に関するネガティブな報道が相次ぎ、そのシェアを74%まで落としている。
現在USDTの時価総額は19億ドルだ。最もシェアを伸ばしているのは、USD Coin(USDC)、Paxos Standard(PAC)、TrueUSD(TUSD)の3つのステーブルコインで、それぞれの時価総額は1.8〜1.9億ドルで推移している。
引用元: ビットコインニュース
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