ブロックチェーンで追求する『食の安全性』:日本でもワインなどの高級品や有機野菜に応用
- ブロックチェーンで追求する「食の安全性」
- 食品に関する「産地偽装」問題などを解決するため、ワインボトルに貼られたQRコードにスマートフォンをかざすことで、日付、製造工程の写真、生産者情報などを確認できる。
ブロックチェーンで追求する「食の安全性」
日本経済新聞の報道によると、有機農業発祥の町として知られる「宮崎県東諸県郡綾町」のワイン生産者と電通国際情報サービスは、栽培から製造、流通までの履歴をブロックチェーンに記録する実験を今年4月から始めた。
宮崎県東諸県郡綾町(ひがしもろかたぐんあやちょう)は、「有機農業の町」などをスローガンとする町おこしの成功例として知られ、全国各地から自然の中での人間らしい生活を求める移住者が後を絶たない 「日本で最も美しい村連合」の一つとされている。
有機野菜とは、農林水産省が定めた「有機JAS規格」に適合した野菜で、「多年生野菜は3年以上、単年野菜は2年以上の間、禁止農薬・化学肥料を使用していない土壌で栽培する」ものが相当する。
同町は2017年3月、株式会社「電通国際情報サービス」のオープンイノベーションラボ(イノラボ)と提携し、2016年10月より有機農産物の品質を、ブロックチェーン技術を活用して保証する実証実験を進めていることを発表。東京都港区のヒルズマルシェの朝市で、生産情報を付与した野菜の販売店を出す試みなどを行なっている。
ワインとブロックチェーン
仮想通貨の基盤技術である「ブロックチェーン(分散型台帳)」は、記録の改ざんが困難という高いセキュリティー性から、自治体の公文書の管理や、ワインなど農産物の生産履歴の証明にも使われ始めている。
食品に関する「産地偽装」問題などを解決するため、ワインボトルに貼られたQRコードにスマートフォンをかざすことで、日付、製造工程の写真、生産者情報などを確認できる。
以下のようなメリットで、トレーサビリティー(生産履歴の追跡)の信頼性を高め、高付加価値な商品を消費者に届けることが可能だ。
- 手作業で管理されていた書類が、電子化されたデータがブロックチェーン上に集約されることで、管理コストの大幅削減が見込める
- 品質保証だけでなく、農産物のデータが一元管理する「流通システム」への実装も見込める
- 生産者情報に加え、土壌の品質や農薬量なども確認できる
今年1月には、世界四大コンサルティングファームの一つとされる「EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング」が、「ワイン・ブロックチェーン」の実証実験を始めたことが話題となった。
生産から流通まで様々な業者が関わるワインの情報管理にブロックチェーンを活用したサービスを提供するほか、宝石や高級ブランド品などを対象とし、生産や流通の情報を一覧できる仕組みを構築する。
海外の事例も
今年4月、中国のeコマース大手のアリババは、消費者の元へ食品が届くまでの経路の透明化を計るブロックチェーンプラットフォームの試験的運用を開始した。
中国では、2008年に発生した「粉ミルクメラミン混入事件」など、死者を出すような食品偽装事件が後を絶たず、問題視されてきたことが背景にある。また、米ミシガン州立大学の研究によれば、世界の食品業界は、食品偽装により、毎年400億ドル(約4.4兆円)にものぼる損失を被っているという。
このプロジェクトは昨年、アリババがグローバルコンサルティング大手PwC (PricewaterhouseCoopers) のオーストラリア及びニュージーランド拠点と共同開発すると発表し、ブロックチェーンを使った食品の真正性を追跡するプログラムに端を発していおり、製品についた「固有QRコード」を読み取ることで、製品の原産地からの移動経路を追跡、購入した品物が本物かどうかを知ることができるようになる。
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— CoinPost -仮想通貨情報サイト- (@coin_post) 2018年10月12日
引用元: CoinPost
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