初のビットコインETNが誕生へ、欧州最大手ETPファームが仕掛ける
オランダに本拠地を構えるヨーロッパ最大規模の上場取引型金融商品(ETP)を提供するトレーディング・カンパニーFlow Traders NVは、ビットコインとイーサリアムの上場投資証券(ETN)を個人や機関投資家向けに販売する準備を進めていることがBloombergの取材でわかった。
ETNの価格は、上場投資信託(ETF)と同様、対象となる金融商品の価格等の指標に連動する金融商品だ。ETNは、ETFとは異なり金融機関の信用を元に発行され、必ずしも裏付けとなる資産を保有する必要がない。
Flow Traders NVのDennis Dijkstra最高経営責任者(CEO)は、ブルームバーグのインタービューで以下のように答えている。
「人々は仮想通貨を過小評価している。これはとても大きなプロジェクトで規制も間近だ。機関投資家は仮想通貨への興味を示しており、我々は多くのリクエストを受け取っている」
ビットコインやイーサリアムのETNは世界初で、仮想通貨市場に新たな需要と供給を提供する可能性がある。Dijkstra氏は、ETNの提供に対するリスクヘッジ方法について明言は避けたものの、Flow Traders NVのトレーダーは米商品先物取引市場のCMEやCBOEを活用していると語った。
Flow Traders NVは、証券、債券、商品などのETPを5500銘柄揃えており、同社のETPは2018年第1四半期に世界の市場での取引高が31兆円に上った。
オランダの規制当局の金融市場庁は、Flow Traders NVの動きとは裏腹に仮想通貨のETN化に対して否定的だ。同庁のNienke Torensma氏は「我々は、プロのトレーダーや一般の消費者が仮想通貨市場に参入することに反対する。仮想通貨は機能自体が約束されたものではないため、資産として認識していない」と語る。
アメリカでもビットコインの証券化の動きがあり、ビットコインETFの誕生が近いとの見方が強まっている。先月28日、米証券取引委員会(SEC)は公式会議を開き、その中でETFの承認プロセスを修正し簡素化する提案があった。同様の提案は以前にもあったが2008年の金融危機以降、金融市場に対する規制強化の流れから見送られ続けてきた。
一方、現行のルールではETFの種類によって発行の際の要件が異なり、ETFを発行する金融機関の一部に比較優位性が生じていることが問題点として挙げられることがあった。アメリカでETFを発行し販売する金融機関は、SECから「Exemptive Relief」と呼ばれる発行許可書を得る必要があると米国1940年投資会社法で定められている。
今回の提案が承認されると、S&P500のような「Plain Vanilla」と呼ばれる基本的なインデックス型の金融商品等であれば、企業はSECのExemptive Reliefを取得せずETFを発行できるようになる。これによりビットコインETFの誕生時期も早まるものと思われる。
引用元: ビットコインニュース
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