仮想通貨ではなく「リブラ」が作る世界 国内大手カンファレンス「btokyo」レポート
「btokyo」レポート
仮想通貨リブラのウォレット事業を手掛けるCalibraのビジネス開発ディレクター キャサリン・ポーター氏は2日、リブラプロジェクトの実情と今後の展開について、国内カンファレンスbtokyoで語った。
キャサリン氏は、世界にはまだまだ銀行口座を持っていない人々が多くいる現状を説明。リブラを通じて誰もが金融サービスにアクセスできる世界を作ることを目標に掲げていると語り、リブラがFacebook社のゴールでもある「世界をつなぎ、世界を小さく近しいものにする」ビジョンの一旦を担うものになると語った。
(プレゼン資料によると、銀行口座を持たない人口は世界で17億人)
インターネットの躍進があった中で、お金や金融の側面に目を向けるとまだまだ遅れている状況にあると考えていることがその背景にあるという。
なお、このP2Pや国際送金の領域は、仮想通貨がこれまで取り組んできた分野ではあるものの、以下の二つの理由で未だ実現ができていないと指摘した。
一つ目が仮想通貨の価格ボラティリティ、二つ目が仮想通貨のブロックチェーンパフォーマンスだ。
電車代を払うなど、日常生活の支払いを行う際に、仮想通貨のボラテリティでは支払い金額の把握が困難であり、現実的ではないと説明。パフォーマンスについても、ビットコインやイーサリアムも長くて11年の年月をかけて取り組んできた課題であるが、未だに解決には至っていないとした。
リブラが目指すグローバル市場をターゲットにした場合、何十億人にスケールアップできるような用意が必要であると考えているという。
その上で一般ユーザーが、金融サービスを日常的に使う上では、信頼性と安定性の確率が重要であると考えている。盗まれたり、価値がなくなることがない設計を行い、ウォレットのパスワードを無くした場合も、資産がなくならない仕組みでローンチするとした。
また、懸念視されるリブラで得た金融データの活用はフェイスブックでは行わないとしており、ソーシャルアカウントとは切り離されて管理されると説明した。
リブラ協会が担う領域
リブラの立ち上げに関しては、規制当局や中央銀行との話し合いが必要と考えているものの、限定的な地域からローンチするわけではなく、グローバルの市場をターゲットに。多方面から参画するリブラ協会のメンバーがそれを支えていくと言及した。
それを担うのが、リブラ協会の役割だ。通貨の信頼性を担保する裏付け通貨の管理のほか、規制当局など規制をどのようにクリアにしていくかを担当する。
リブラ協会については、NPOや大学など信頼できる機関から成り立ち、将来的には100社でオープンな環境を構築するという。日本の企業も歓迎した。
また、世界的にもビジネス的に強いホットプリントを持っており、これらの強みがリブラの企業向けユースケースの強みにも繋がると見ている。国際的なビジネスへ新たに参加するユーザーの弊害になりうる通貨システムを、リブラが代替することで、国際ビジネスの活性化にも繋がると考えている。
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