仮想通貨初の国際規制案 6月8日にG20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催|注目ポイントと報道内容
- G20財務大臣・中央銀行総裁会議の開催迫る
- 仮想通貨初の国際規制案に関する合意の見通しが立っているG20財務大臣・中央銀行総裁会議の開催日時が6月8日に迫っている。ビットコイン市場においても重要な会合の内容と注目ポイントをまとめた。
G20財務大臣・中央銀行総裁会議は6月8に開催
ついに仮想通貨の世界的な規制案に関して、具体化に着手する可能性が出てきているG20サミット「金融・世界経済に関する首脳会合」まで一月を切った。
2019年G20サミットは2019年6月28日〜29日にかけて大阪府大阪市で開催され、日本は初の議長国として複数の関係閣僚会合の開催を主催する予定だ。
参加メンバーには、日本、アメリカ、イギリス、イタリア、ドイツ、フランス、カナダのG7メンバーのほか中国、韓国など19ヶ国と欧州連合(EU)の首脳が参加する。国際会議大阪G20サミットにおける国際機関には、国連(UN)や国際通貨基金(IMF)、世界銀行、金融安定理事会(FSB)なども参加を予定する。
2018年にブエノスアイレスで催されたG20では、仮想通貨に係る犯罪防止措置などの議論が行われてきたほか、国際的な統一制度について2020年までに最終報告書の提出を行うことがわかっているが、複数マスメディアの報道から今回日本で開催される2019年G20サミットにて具体化に着手する可能性が高まっている。
仮想通貨関連の議題がでると報じられているのは、首脳会合を含めて以下の二つの会合。(全関係閣僚会合は8つの開催地、また開催日時で催される予定)
- 財務大臣・中央銀行総裁会議:日程 6月8~9日、開催地 福岡県福岡市
- 首脳会合(サミット):日程 6月28~29日、開催地 大阪府大阪市
今回は、過去に議論されてきた仮想通貨関連の内容の洗い直しと、今回予定される注目ポイントを解説する。
これまでに議論された内容
「20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(2018年7月21-22日 於:アルゼンチン・ブエノスアイレス)」の仮訳の要点
<将来性>
- 暗号資産(仮想通貨)の基礎となるものを含む技術革新は、金融システム及び、より広く経済に重要な便益をもたらし得る
<懸念点>
- 暗号資産(仮想通貨)は、消費者及び投資家保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリング、並びにテロ資金供与に関する問題を提起する
- ソブリン通貨(各国政府や政府機関などが発行・保証する通貨)の主要な特性を欠いている
<結論>
- 現時点でグローバル金融システムの安定にリスクをもたらしていないが、G20は引き続き警戒を続ける
- FSB(金融安定理事会)及び基準設定主体からのアップデートを歓迎するとともに、暗号資産の潜在的なリスクを監視し、必要に応じ多国間での対応について評価するための進展を期待する
- FATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)基準の実施に関する3月のコミットメントを再確認し、2018年10月に、この基準がどのように暗号資産に適用されるか明確にすることをFATFに求める
重要トピック
1.仮想通貨に係るマネーロンダリング規制:金融活動作業部会(FAFT)、経済協力開発機構(OECD)も担当。
2.犯罪防止:テロ行為への資金供与、特定通貨の回避、資金洗浄などの不正行為の防止、ICOや仮想通貨プロジェクトによる詐欺などから消費者保護など
金融システムにおいて生じつつあるリスク及び脆弱性を引き続き監視し,必要に応じ対処するとともに,継続的な規制・監督上の協力を通じて分断に対処する。
我々は,強じんなノンバンク金融仲介の実現に関する継続した進捗に期待する。我々は,リスクが軽減されつつ,金融セクターにおける技術の潜在的な利益が実現されることを確保するための取組を強化する。
我々は,金融活動作業部会(FATF)基準に沿ったマネーロンダリング及びテロ資金供与への対策のため,暗号資産を規制し,必要に応じて他の対応を検討する。
一部抜粋:G20 ブエノスアイレス首脳宣言
3.国際的なデジタル課税制度の整備:多国籍企業の租税回避対策 直接的に仮想通貨にか関わらないが、国境をまたがる電子サービスへの課税体系を築く上で、注目が集まっている。経済協力開発機構(OECD)も担当。最終報告書は2020年までに提出。
特に租税条約や移転価格ルールに基づいた,世界規模で公正,持続可能かつ現代的な国際課税システムのための取組を継続するとともに,成長志向の租税政策を推進するための国際協力を歓迎する。
OECD/G20「税源浸食と利益移転」パッケージの世界的な実施は引き続き不可欠である。我々は,引き続き,経済の電子化が国際課税システムにもたらす影響に対処するため,2019年の進捗報告及び 2020年までの最終報告書により,コンセンサスに基づく解決策を追求すべく共に取り組む。
一部抜粋:G20 ブエノスアイレス首脳宣言
4.追跡と本人確認:「本人確認(KYC)及び、デジタル身分証明基準」
G20に先駆け日本では資金決済法と金融商品取引法の改正案を可決
22日には、仮想通貨不正流出時の利用者保護などの規制強化策を盛り込んだ、資金決済法と金融商品取引法の改正案が、衆院本会議で可決した。
次に送付した参議院でも可決され、両院で可決した後、法律として施行されることになる。
財務大臣・中央銀行総裁会議
日程:6月8~9日
内容1:アンチマネーロンダリング(AML)やテロ資金供与対策(AML)を定める新規制に合意
報道元:共同通信社
狙いと背景:仮想通貨の不正利用などを取り締まる国際規制案が発表される見通しが立った可能性。背景には北朝鮮による仮想通貨取引所へのサイバー攻撃の疑いを受け、北朝鮮の経済制裁逃れを阻止する狙いがあるという。
内容2:仮想通貨流出防止策や顧客保護策に係る各国の規制に活用する手引書が策定する議論を開始
報道元:産経BIZ
狙いと背景:2度の流出事件が起こった日本が経験を共有。仮想通貨の技術革新を推す国もある中で、厳しい規制基準を設けることが困難だと判断、手引書という形で各国の規制水準の引き上げを促す。
手引書内容(判明しているもの)
- 顧客資産保護で必要な対応方法
- サイバー攻撃の対策
- 情報提供のあり方
引用元: CoinPost
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