HTC、ビットコイン・フルノード立ち上げ可能なスマートフォンのリリースを発表
台湾の電子製品メーカーHTCが、ビットコインのフルノードを立ち上げることができるスマートフォンを2019年第3四半期にリリース予定であることを公表した。先週末、ニューヨークで行われたカンファレンス「Magical Crypto」に登壇したHTCのPhil Chen氏が明かした。
HTCが今秋リリースを予定しているEXODUS 1sは、ビットコインのブロックチェーンに対応しているスマートフォンだ。ユーザーはビットコインのすべての取引履歴データを保存することができる。
ビットコインのブロックチェーンのデータ量は現在およそ210GBで一年間に約60GBずつ増加している。EXODUS 1sですべてのデータを保存するには追加のSDカードが必要で、データ容量を増設しなければならない。また同期の際にはネットワーク環境が安定するWiFiに繋がっていることが求められる。スマートフォン本体の価格は250〜300ドルの価格帯に設定される予定だ。
Chen氏によれば、EXODUS 1sでマイニングを行うことはできない。今後、関連企業などと協議しハッシュレートをネットワークへ送信する機能の追加を検討する。ビットコインのネットワークの維持には、ノードの立ち上げとマイニングの2つが必要だが、Chen氏はユーザーがマイニングを行うには、より強いインセンティブが必要だと分析している。
「ブロックチェーンのネットワークをセキュアに保つためには、ノードの立ち上げが最も重要だ。すべてのユーザーがそれぞれのブロック内の取引の検証作業を行うことでセキュリティが向上する。」
Chen氏はビットコインのブロックチェーンが最も多く証明されたネットワークであると表現し、ブロックチェーンが持つ「オープン、ニュートラル、検閲耐性」の機能を発揮していると考えている。
HTCは現在のところビットコイン以外の暗号通貨のブロックチェーンへの対応を予定していない。スマートフォンでフルノードを立ち上げるには、ビットコインのように小さいブロックサイズである必要がある。
ビットコイン以外の暗号通貨の多くはブロックサイズが大きく、現在の技術レベルではスマートフォンでフルノードを立ち上げることが難しい。ビットコインがスモールブロックをマストとしている背景には、データ量を抑えることでフルノードを立ち上やすくする狙いがある。
HTCは暗号通貨やブロックチェーンへアクセスしやすくする電子製品の製造に力を入れており、デジタルの猫を作成することができるCryptoKittiesのプロジェクトとも提携している。ブロックチェーンへのアクセスがより簡単にスマートフォンで行えるようになると、暗号通貨のアダプションも更に進むことが期待される。
引用元: ビットコインニュース
「ビットコイン」カテゴリーの関連記事