新元号「令和(れいわ)」発表でビットコイン市場の展望は?「平成」の最後を駆け抜けた仮想通貨業界
- 新元号「令和」、ビットコインなど仮想通貨市場の展望は
- 日本政府は1日、新元号「令和(れいわ)」を発表した。典拠は、日本最古の歌集である平安時代の万葉集にあるという。新時代におけるビットコイン市場の展望と、平成を駆け抜けた、仮想通貨・ブロックチェーン業界の歴史を振り返る。
新元号「令和」、ビットコインなど仮想通貨市場の展望は
2019年(平成30年)4月1日、日本政府の菅官房長官により、新元号の「令和(れいわ)」が発表された。
令和(れいわ)の典拠は、7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれた日本に現存する最古の和歌集である「万葉集」だ。その由来は、『万葉集』の梅花の歌、三十二首の序文にある
「于時初春令月 氣淑風和(時に初春の令月、気淑く風和ぐ)」
(初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす)
の一節から来ているという。
これに伴い、本日正午ごろ、安倍晋三首相が官邸で記者会見を開き、新元号「令和(れいわ)」に込めた意義を語った。
安倍首相は、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味が込められていると述べ、日本最古来の歌集から引用したその意義について、ゆっくりとした語り口調で想いを馳せるようにして説明した。
万葉集は、天皇や皇族、貴族だけでなく、防人や農民など(身分を問わず)幅広い人々が詠んだものだ。
悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然など、こうした日本の国柄をしっかりと次の時代へと引き継いでいく。
厳しい寒さの後に”春の訪れ”を告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。
新元号の「令和(れいわ)」には、そうした日本でありたいとの願いを込めた。
激動の平成時代
天皇陛下が生前退位のご意向を示されたことで、30年間続いた「平成」の時代も、残りあと1ヶ月足らずとなった。天皇陛下の退位に伴い、2019年5月1日午前0時から新元号「令和(れいわ)に切り替わる。
平成の始まりは、昭和64年1月7日。昭和天皇が崩御し、のちに内閣総理大臣となる小渕恵三氏が、首相官邸で「平成」と書かれた額縁を掲げ、「新しい元号は『平成』であります」と発表を行った時だ。
平成元年(1989年)には、税率3%の消費税が初めて施行されたほか、若者に関心のある出来事では、任天堂が携帯ゲーム機「ゲームボーイ」を発売、落ちものパズルゲームのテトリスが大ヒットを飛ばしている。
平成は、激動の30年間だった。
国内では、平成7年(1995年)1月17日に阪神淡路大震災が発生、平成23年(2011年)3月11日には、東日本大震災が発生して大勢の日本人が亡くなるなど、歴史的にも類を見ないほどの天災に見舞われた。
海外でも、平成13年9月11日には「アメリカ同時多発テロ」が発生。中東戦争やフランスのテロ事件など、復讐の連鎖が世界を震撼させた。
平成10年(1998年)に開催された長野オリンピックで金メダルを5つ獲得した日本選手団や、ワールドカップのサッカー日本代表、大リーグでのイチローや大谷選手の大活躍など、スポーツでは明るいニュースも多々あったが、大きな事件や大規模自然災害などの暗いニュースも目立っていたと言える。
「平成」を駆け抜けた仮想通貨市場
そんな中、新しい資産クラスとして誕生した仮想通貨・ブロックチェーン業界は、平成の最後を怒涛の勢いで駆け抜けてきた。
平成29年(2017年)は、「仮想通貨元年」と呼ばれ、法改正で決済手段として定義されたことを機にビットコイン(BTC)をはじめ、リップル(XRP)やイーサリアム(ETH)などのアルトコインが軒並み高騰。マスメディアでも大きく取り上げられ、お茶の間での知名度を一気に上げるなどしたことで、仮想通貨の市場規模は大きく膨れ上がった。
しかし、翌2018年(平成30年)は、市場を取り巻く状況が一変する。
コインチェックやZaifなど大手取引所のハッキング事件や、それに伴う金融庁の立入検査で「業務改善命令」が相次ぎ、ビットコインなど仮想通貨価格はバブルが崩壊するようにして、いずれもピーク時から80〜90%安の大暴落を記録。海外でも大手取引所のハッキング事件に始まり、中国の仮想通貨規制やテザー問題、ICO詐欺などネガティブなニュースが取り沙汰され、仮想通貨市場にとって厄年となった。
そして、2019年。
平成20年(2008年)以来、実に11年ぶりとなる国際規制局「FATF」の対日審査を今秋に控える中、国内ではようやく規制面が整いつつある。不正流出事件から1年が経過した2019年1月には、金融庁の”お墨付き”を得て、マネックスグループで全面支援を受けた「コインチェック」の業登録が認可された。
さらに今年3月には、JR東日本やメガバンク、電通などが出資するディーカレットや、国内最大手の決済事業者である楽天グループが、満を持して「仮想通貨交換業者」として金融庁の認可を受けた。
ほかにも、ヤフージャパンが出資する仮想通貨取引所「TAOTAO」の本稼動も、新元号「令和(れいわ)が始まる5月中旬に控えており、今まさに、利用者の”信頼”を失った仮想通貨市場の再起に向けて、業界が一丸となっている。
日本政府は、キャッシュレス政策を国策とし、2020年の東京オリンピックや2025年の大阪万博に向けた、外国人観光客による”巨大なインバウンド需要”を取り込むべく、交通網や決済手段などのインフラ整備に躍起になっている。
税制面などまだまだ課題も山積みだが、現在検討されているという、JR東日本が発行する電子マネー「Suica」で仮想通貨チャージが出来るようになれば、全国のコンビニエンスストアでも仮想通貨決済が出来るようになる。
仮想通貨・簡易年表
ビットコインや主要アルトコインが誕生した年と、同じ年に起こった出来事をまとめた。
時系列 | 仮想通貨のニュース | 日本国内のニュース |
---|---|---|
平成21年1月3日
(2009年) |
ビットコイン(ジェネシスブロック)誕生 | 自民党が大敗を喫し、民主党へと政権交代 |
平成25年2月22日
(2013年) |
Mt.GOX事件 | 楽天球団が初の日本一、田中将大投手が34連勝でギネス新記録 |
平成27年7月30日
(2015年) |
イーサリアム(ジェネシス・ブロック)誕生 | ラグビーW杯で、日本3勝の歴史的快挙 |
平成30年1月26日
(2018年) |
コインチェックハッキング事件 | 西日本で記録的な豪雨被害 |
今後、新たな時代の「令和(れいわ)」では、どのような未来が待ち受けているのだろうか。
それが、日本にとっても世界にとっても、仮想通貨業界にとっても、明るい未来だと信じてやまない。
引用元: CoinPost
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