BTC対ドルは膠着相場でHV低下:様子見ムード打開への期待は健在
ヒストリカル・ボラティリティーは25%を割り込む低水準
BTCの対ドル相場は今週も鈍い値動きとなり、3900ドル周辺で揉み合い相場となった(第1図)。今週はバーゼル銀行委員会が主要国の金融機関を対象に、暗号資産の取引および関連サービスを行う際のガイドライン(法的拘束力はない)を発表し、その中で暗号資産が「価値の交換および保存手段として信頼性がない」とし通貨ではないというスタンスを再強調するなど、相場を動かしそうな材料は散見されたものの市場の反応は薄かった。
こうした中、BTCの10日物ヒストリカル・ボラティリティー(HV)は15日、先月7日ぶりに25%を割り込み足元24.95%で推移している(第2図)。BTC価格が対ドルでヒストリカル・ハイを記録した2017年の12月には10日物HVが200%を超える場面もあったと考えると、現在はかなりの低水準となっていることがわかる。最も、昨年11月に相場が急落する直前には10日物HVが4.1%まで低下していたため、この先も膠着相場が続く余地はあるかと考えられる。
しかし、HVからは相場の動く方向は予測できないが、その推移には一定のサイクルがあると考えられる。そのため、現在のHV水準を考慮すれば、いつ再びトレンドが始まってもおかしくないだろう。また、こうした状況では、相場が急に大きな値動きを見せることがよくあるため、引き続き警戒を要する。
【第1図:BTC対ドルチャート】
出所:coinmarketcapより作成
【第2図:BTC対ドル10、30、90日物ヒストリカル・ボラティリティーチャート】
出所:coinmarketcapより作成
相場上昇期待は健在:来週は様子見ムード打開となるか
本日は蘭DeribitでBTCオプションの行使日となるが、15日行使分の建玉は今週大きな変動はなく、プットは行使価格3500ドルと3625ドルに、コールは行使価格4125ドルに建玉が集中していた。一方、22日行使分のオプションでは、週中頃にかけて行使価格3500ドルと3625ドルのプットの増加が目立ったが、15日朝の時点では行使価格4000ドルから4500ドルまでのコール建玉が前日比で増加している(第3図)。また、行使価格4250ドルのコールが圧倒的な人気を誇っており、先日お伝えした通りオプション市場からは相場上昇への期待感が伺える。
しかし、先日指摘した通り、先週、COTインデックスのファンド勢ネットポジションの値は低水準に近づいていた。今週のCOTレポートは日本時間の明日発行されるが、現在の相場ではポジションに大きな変化はないことが予想される。市場はこうした最新情報を織り込んでいくため、週明けはオプション市場でも動きがあるだろう(Deribitのオプション市場は週末も開いているが、商いは薄くなる傾向にある)。
【第3図:22日行使分BTCオプション建玉(Deribit)】
出所:Deribitより作成
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引用元: ビットコインニュース
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