国内景気は不況を示唆する「リセッション」にあるのか?内閣府が基調判断を下方修正|仮想通貨ビットコイン市場への影響を探る
- 日本の国内景気は「後退局面」にあるか、内閣府が基調判断を下方修正
- 日本政府が発表した「景気動向指数」が、3ヶ月連続で悪化した。リセッションが深刻化すると恐慌に陥るとされるが、世界的金融危機など地合い悪化時の仮想通貨市場への影響を探る。
日本の国内景気は「後退局面」にあるか、内閣府が基調判断を下方修正
日本国内の景気が、すでに後退局面に入った可能性が指摘されている。
内閣府が7日に発表した、今年1月の「景気動向指数」速報値が、前月比2.7ポイント低下の97.9(CI、2015年=100)となり、3ヶ月連続で悪化した。13年6月以来の低水準になるという。リセッションが深刻化すると不況から恐慌に陥るとされる。
- 景気動向指数とは
- 生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標のこと。
これに伴い、内閣府が基調判断を「足踏み」から、今後、事後的に判定される景気のピークが、それ以前の数か月にあった可能性が高いことを示す「下方への局面変化」に修正。14年11月以来、4年2ヶ月ぶりの表現となった。
今後、景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」となる可能性もあり、注意が必要だ。
茂木敏充経済財政・再生相は1月末の月例経済報告で、「景気拡大が戦後最長の6年2ヶ月に及んだ可能性が高い」と表明していたが、世界経済の減速や中国経済の鈍化が産業ロボットや半導体などの「輸出」に悪影響をもたらした可能性がある。
ただし、中国の春節(旧正月)が例年より早く、経済活動を押し下げたと見る向きもあり、まずは、2月発表予定の貿易統計で、輸出や生産の指標がどの程度戻るかが焦点となる。
景気後退は仮想通貨に追い風という見方も
世界に目を向けて見ると、IMF(国際通貨基金)が「2019年の世界経済見通しを下方修正する」としたことが記憶に新しい。
米国では昨年12月、米国債市場で、償還(返済)までの期間が長い国債の利回りが、短い国債の利回りを下回る「長短金利逆転(逆イールド)」と呼ばれる現象が発生。国債利回りが3カ月ぶりの低水準にまで落ち込み、リセッション(景気後退)の可能性を示すシグナルが点灯した。
仮想通貨取引所ShapeShiftのCEOであるErik Voorhees氏は、自身のツイッターで米国債の状況が、今後の仮想通貨の追い風になり得るとした内容を投稿した。
When the next global financial crisis occurs, and the world realizes organizations with $20 trillion in debt can’t possibly ever pay it back, and thus must print it instead, and thus fiat is doomed… watch what happens to crypto.
— Erik Voorhees (@ErikVoorhees) 2018年11月8日
世界的な金融危機が再び発生し、”20兆ドル規模”の負債(国債)を持つ米国政府に返済の能力がなく、通貨発行をせざるを得ないということを世界が認識したとき、法定通貨は追い込まれる。その時、仮想通貨に何が起こるかが楽しみだ。
Erik氏の発言の背景にあるのは、急拡大を続ける米国債の規模だ。昨年10月には連邦政府が1.34兆ドルの新規債発行を発表したが、これは1回の発行量としては2010年以降では最大規模になる。
金融危機が発生した時に、法定通貨の管理通貨制度における裏付けとなる「信用」という担保を保つことが難しくなり、自ずと政府の信用力に紐づいていない仮想通貨に需要が集まるのではないかという見方もある。
英通貨危機を招いた場合の仮想通貨需要
また、イギリスは、難航するブレグジットの交渉打開のため、48時間以内に新提案を提出するよう迫られているという。「ハードブレグジット(合意なき離脱)」に関しては、3月29日の離脱日が迫る中、メイ首相は3月12日に「2度目の投票」を下院で実施予定だ。
国際金融市場は”合意なき離脱”を織り込んでおらず、イングランド銀行総裁のマーク・カーニー氏は2018年11月、「最悪のシナリオの場合、英ポンド(GBP)が25%暴落することもあり得る」と述べ、英国の金融業界団体U.K. FinanceのStephen Jonesも、「EUからの合意なき離脱は、金融業界に壊滅的な結果を招くかもしれない」と警鐘を鳴らした。
そんな中、世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは、欧州市場で仮想通貨の普及促進を行うための拠点となることを見込み、英王室属領のジャージー島に「Binance Jersey(バイナンスジャージー)」を設立。
ユーロや英ポンドとビットコインやイーサリアムを交換可能な仮想通貨取引サービスを公表したところ、新規の口座開設申し込みが殺到。CEOのCZ氏は、その数に対し「圧倒されている」と述べ、自国通貨(英ポンド)の不確実性が高まる中、新たな経済的機会として”潜在需要”の高さが浮き彫りになった。
デジタルゴールドと呼称されることもあるビットコインであるが、インフレ通貨である法定通貨とは異なり、発行上限からデフレ通貨との見方もある。過去の国際金融市場では、リーマン・ショックの時期に「金(ゴールド)」価格の暴騰が起こっており、自国通貨の避難先として、「資産の移転」という観点からも関心が集まる可能性は考えられる。
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— CoinPost -仮想通貨情報サイト- (@coin_post) 2018年10月12日
引用元: CoinPost
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