BTC対ドル相場は4200ドル上抜けに失敗:マイニング報酬低水準でマイナーも様子見か
BTC/USDは2月アノマリーを示現も上値の重さ続く
BTC対ドル相場の月次変化率は、昨年8月から6ヶ月連続でマイナスに振れていたが、先月は凡そ10%高とし、「2月は上昇し易い」というアノマリーを示現した(第1図)。2月は、Litecoin財団がソフトウエア開発を手掛けるBeam社とのパートナーシップを締結し、Minblewimbleプロトコルによるプライバシーとスケーラビリティの向上を試みるという発表を切掛にLTCの対ドル相場は上昇に転じたり、ネットワークの大型アップデートを控えていたETHの対ドル相場も堅調に推移したりと、アルトコインの上昇にBTCも連れ高となった格好だ。
【第1図:BTC対ドル月次変化率】
出所:coinmarketcapより作成
ところが、2月末に差し掛かると相場は失速。一時は4100ドル台に乗せたが、24日には8.36%安を記録し4000ドル台を瞬く間に割り込んだ。昨年11月の急落以降、4200ドル上抜けを試す動きが複数回確認されたが、同水準付近が強いレジスタンスとして機能している(第2図)。
加えて、デリバティブ市場からも目立ったトレンドリバーサルのサインは確認されない。米商品先物取引委員会(CFTC)のCOTレポートによると、2月26日時点での全米BTC先物市場におけるファンド勢のネットポジションの内訳は、ロングが1874枚に対してショートが3615枚とショートが倍近く多い。また、3月6日時点での欄Deribitにおける8日行使のBTCオプションでは、4000ドルストライクに建玉が集中、15日行使では4000、4125ドルストライクに建玉が集中しており、4000〜4125ドルがレジスタンスとして意識される。
こうした材料を考慮すれば、この先はレンジ内で下値を模索する展開が予想される。また、相場が反発しようともしばらく上値余地は限定的といえるだろう。
しかし、裏を返せば、相場が4200ドルを明確に上抜けできればアク抜け感も出てくると予想される。レンジでの推移が長く続けば続くほど、相場が相応のエネルギーを蓄積し次のトレンドに入ると考えられるため、4200ドル上抜けを試す動きには要注目だ。
【第2図:BTC対ドルチャート】
出所:coinmarketcapより作成
マイニング報酬は低水準を脱せず
こうした中、BTCマイニング報酬の月間総額は昨年12月以来低水準で推移している(第3図)。2月の月次変化率は7.81%とプラスに転じたものの、マイナーは十分な利益を上げられていないことが指摘される。マイニングにかかるコストは国や地域によって異なるが、相場が上振れない現在の市況では、マイナーも長期保有を目的としてBTCをマイニングするとは想定し難い。また、昨年12月に底を打ち緩やかな上昇傾向にあったネットワークのハッシュレートも、足元では頭打ちとなっており、市場同様、マイナーも様子見ムードとなっていることが指摘される(第4図)。
こうした状況では、多くのマイナーは電気代や人件費をカバーするために掘り当てたBTCを即座に売却、或いは相場が反発したタイミングで売りを仕掛けてくることが考えられるため、やはり暫くは上値の重い展開が継続すると予想される。
【第3図:BTCマイニング報酬月次変化率&月間総報酬額】
出所:blockchain.comより作成
【第4図:ビットコインネットワーク・ディフィカルティ&ハッシュレート(7SMA)チャート】
出所:blockchain.comより作成
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引用元: ビットコインニュース
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