コインマーケットキャップのXRP時価総額が過大評価されているとの調査報告書が公表される
暗号通貨市場の調査を行うMessariは、コインマーケットキャップ(CMC)などの暗号通貨市場ランキングで表示されるXRPの時価総額が過大評価されていることを示す調査報告書を公表した。ランキングで表示されている数値と実際に市場に供給されているXRPの量に誤りがあることが原因だとしている。
現在、CMC上ではXRPの供給量が410億XRPとなっており、1XRP=0.317ドルで計算すると時価総額は約130億ドルだ。410億XRPはRippleが公式に発表している供給量と一致する。
Messariによると、この410億XRPには市場への供給が制限されているXRPが含まれており、実際に市場で取引されているXRPの量はこの数字より少ないという。
右がRippleが公表している数値で、市場への供給量が410億XRP、Rippleの保有分が65億XRP、エスクローにより520億XRPがロックアップされている。Messariは売却制限がかけられた実際のXRPが、少なくともRippleの保有分と合わせて257億XRPあると見積もっている。
その差分である192億XRPの中で最も大きな割合を占めるのが、Rippleの共同創始者であるJed Mcaleb氏が保有している66億XRPだ。Jed氏によると、保有分の売却は日次取引量の1%以下に制限されているという。
その他、もうひとりの共同設立者であるChris Larsen氏のファンデーションが保有する59億XRP、RippleWorksと呼ばれるファンデーションが保有する25億XRP、XRPⅡが保有する40億XRPに対し売却制限が設けられている。これらの数値は、税金記録などの公開情報を元にXRPのアドレスと照合し求められた。
Messariは192億XRPという数値が予測値であるとした一方で、Rippleが提携してる金融機関の保有分にも売却制限が設けられていた場合、この数値はさらに大きくなる可能性があるとした。
XRPの日次取引量は他の上位アルトコインと比べ低く、市場に供給されているXRPの量が多く見積もられているとの調査結果には一定の整合性がある。
Messariが提供している暗号通貨市場ランキングでは、XRPの日次取引量が3.3億ドルであるのに対し、ETHは22億ドル、EOSは6億ドル、LTCは5.5億ドルだ。EOSとLTCは時価総額が20億ドル程度で、CMCが表示しているXRPの時価総額の約6分の1だ。
市場への供給量は価格を形成する上で重要なファクターで、投資家の判断にも大きな影響を及ぼす。ウォッシュトレーディングなどの偽の取引が横行する暗号通貨市場では、取引量の数値も正確ではない可能性が高い。
Rippleは今週、2018年の第4四半期の市場レポートを公表しており、取引量の0.16%にあたる8800万ドル相当のXRPを売却したと発表している。一方、取引量の計算方法の詳細は記載していない。
Messariは、XRPの売却制限に関する情報や取引量の計算方法などについてRippleやRippleWorksに問い合わせたが、今回の調査報告書を公表した時点では回答を得られなかった。今後、回答を得られれば調査報告書のアップデートを行うとしている。
Messari
Ripple XRP Markets Report
引用元: ビットコインニュース
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