底値を探るビットコイン「下落相場と底値」を分析するレポートが公開|仮想通貨市況
- 仮想通貨市場
- 仮想通貨市場は、ビットコイン価格にレジスタンスライン抜けなどが見られたものの、地合いの悪さも影響し大きく上昇することはできなかった。 重要サポートライン分析と、底値を分析した専門レポートの内容を掲載。
仮想通貨市場
仮想通貨市場は13日、前日比では大きな差がないものの、ビットコインが13日未明にレジスタンスラインを上抜けする場面が見られた。
11月から続くレジスタンスライン後は、上昇方向への勢いこそあったものの、BitMEX4時間足チャートの雲で相場が反転し売りが強まった。
その後は下落基調の相場を続け、サポートラインで反発後はもみ合っている形だ。
仮想通貨市場のポジション比率の一つの指標として取り上げられるBitfinexのLS比率は、今回のサポートライン上で推移して以降、下落基調を続けており、投資家の方向性にも多少の変化が見られている可能性はある。
また、相場における今後の重要サポートラインを見る上で重要となるのは「週足の200日平均線」と「マイニング収益分岐率」だろう。
週足200日平均線は昨日の仮想通貨市況でも述べた、下チャートの黄色ラインとなる。
考察する2つ目に挙げた「マイニング収益分岐率」だが、中小マイナー撤退による下落相場の要因としても、大手マイナーの防衛ラインとしても相場のファンダメンタルズ要因として重要な指標となるだろう。
ビットコイン6000ドル割れを記録してから収益ラインの議論は加速していたが、すでにS9の収益率は厳しい状況であることから、これまでS15の収益ライン3500〜3700ドル付近が重要視されていた。
しかし、今回の下落相場の影響で停止したマイニング機器の状況を受け、ハッシュレートとデフィカルティも大きく急落、6月水準に達している。
ハッシュレート最高値から比較すると半分の数値に該当するが、価格の下落状況を踏まえると、3000ドル付近までは収益分岐ラインが下がる可能性は十分にあるだろう。
以上のことを踏まえると、現在の水準3400ドルを下回った場合も、週足200ドル平均線にあたる3150ドル水準、また節目でもある3000ドル水準に厚いサポートラインがあることが考えられる。
ビットコインのポテンシャルを分析するレポートが発表
米国ニューヨーク州に拠点を置く仮想通貨市場の調査やコンサルティングを行うDelphi Digital社が「ビットコインの現状|長期的価値のポテンシャル、及び分析」と題したレポートを発表した。Delphi Digital社は現在、低迷が続くビットコイン市場は2019年の第1四半期に底値に到達すると予想している。
また、同レポート内ではビットコインの長期的な価値を評価すべき主な理由を3点挙げたものの、注目すべき点としては特に下の2点をハイライトしたい。
ビットコインは価値の保存として2100万と最大供給量が定められている点や、既に278万から379万ビットコインが秘密鍵の紛失等の理由で「永遠に失われている」ことから価値の保存手段として長期的に安定すると展望している。
また仮想通貨のビットコインがベネズエラやイラン等、経済的に危機的状況に置かれている新興国の住民にとって法定通貨に変わる送金手段となる点や、投資ポートフォリオの一部に加わる利点について深掘りしていく。
送金手段としてのビットコイン
ビットコインは日本やアメリカと言って金融システムが整っている先進国では有用な送金手段としては速度などで劣るものの、その特徴は法定通貨が機能していない途上国で真価を発揮する。その最たる例が今年特に顕著な経済危機を経験しているベネズエラだ。
ベネズエラでは、ハイパーインフレにより法定通貨が何倍にも高騰し、通貨として機能しなくなったことからビットコインが法定通貨に代わる通貨として普及が広まった。
以下はLocalBitcoinのデータに基づくベネズエラの週間ビットコイン取引量とビットコイン全体の週間ビットコイン取引量を比較したものだ。
またビットコインの人気を受け、ベネズエラ政府は独自の仮想通貨「ペトロ」の発行を開始したが、担保となる元の資産クラスが度々変わるなど、以前として苦しい状況は続いている。
ポートフォリオの多様化
さらにビットコインの利点と長期的な価値が見込める点として投資ポートフォリオの多様化につながることだ。
Delphi Digital社はフィデリティ社の債券40%を固定として、Vanguard社の株ETF60%をベースに1%ずつビットコインへ投資した2015年から2018年のポートフォリオを比較したところ、ビットコインに最も投資していたポートフォリオが年間最大の利益率を記録した。
ビットコイン特有の高いボラティリティや最高で230万円(bitFlyer参考)を到達した2017年を考慮すると、ビットコインを10%含んだポートフォリオが最も高い利益率を記録したのは驚くべきことではない。しかしDelphi社が強調したのは、ビットコインが全体の3%を占めたポートフォリオが最も高いSharpe Ratio(シャープ比率)を記録した点だ。
シャープ比率とは
投資リスクに対しどれだけ収益が見込まれるかを示す指標。リスクの無い債券(bond)と比較してどれだけの収益があるかを可視化したもので、1963年にウィリアム・シャープ氏によって考案された。
またこのポートフォリオパターンは最大ドローダウンも最小に抑えられている。
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— CoinPost -仮想通貨情報サイト- (@coin_post) 2018年10月12日
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