ビットコイン大暴落後の最新状況 XRP(リップル)の相対的な強さも|仮想通貨市況
- 仮想通貨市場大暴落
- ビットコインキャッシュの分裂騒動や、SECの分散型取引所などへの規制対象拡大などの悪材料を経て、相場の方向性が大きく下目線に傾いた仮想通貨市場だが、本日更なる急落を経て、ビットコイン価格が40万円台に突入した。本記事では大暴落後の状況を解説する。
仮想通貨大暴落
仮想通貨市場の暴落が止まらない。
ビットコインキャッシュの分裂騒動や、SECの分散型取引所などへの規制対象拡大などの悪材料を経て、相場の方向性が大きく下目線に傾いたビットコイン相場は、年初来最安値を更新後、本日20日に直近1年間で最安値となる米ドル建て5000ドル(Coinbase)を割り、更に急落、日本円建てでも40万円台に突入した。
2011年に創業し、世界的にも歴史が長い仮想通貨取引所Bitstampの長期チャート上で指摘されていた、長期相場を支えるサポートライン割れも確認されるなど、かなり厳しい状況に陥った。
相場の注目点
本日の相場での注目点は、以下の3点だ。
1.日足のRSIが10%割れなどテクニカル指標の動き
2.新たな仮想通貨市場関連のファンダメンタルズ要因
3.XRPやXLMの強さ
日足のRSIが10%割れを確認:仮想通貨関連指標の動き
仮想通貨市場で見られた大暴落の影響で、大きく%を下げたRSIの数値は、日足(bitFlyer現物)で売られ過ぎの指標となる30%を大きく下回る、一桁台を記録した(チャート中部)。
RSIが10%を下回る事は、2012年以降初めてとなるが、リーマンショックの影響で大暴落の相場になった株式市場(日経平均)でも、RSI16%が最低値であることを考えると、かなり売られ過ぎの状況まで暴落したことになる。
また、今回の暴落の勢いが強まったことなどを受け、相場のロングとショート比率の一つの基準になるBitfinexのLS比率は、ロングとショート共に上昇傾向にあるが、下落後の反発の勢いが弱いことを確認すると、すでに高い下落率を示したビットコイン相場の中で、ショートポジションが7000BTCも急増する場面が見られた。
ここで大きな戻しが見られた場合は、ショートカバーを伴う上昇へと繋がる事も考えられるが、反発の勢いが弱い相場の状況は、投資家の弱気心理にも影響を与えている可能性は否めない。
フィボナッチの重要ライン
1日を通して、大きな反発もなくラインを割り続けたビットコインだが、54万円付近の抵抗ラインを抜け後、画像内のフィボナッチ付近で下落が一時的に止まった。
下落トレンド中では、フィボナッチは戻しを形成するラインとして意識されるため、一時的に反発したものと思われるが、反発の勢いも乏しく、依然厳しい状況は変わらない。
この47万後半のフィボナッチを抜けると、かなり厳しい状況に追い込まれるビットコインチャートは、2017年9月に大きく上昇を見せた次点のライン:3562ドル付近(約401000〜408000円)のラインまで更に一段下げる可能性もありえる状況だ。
しかし同ラインは、トレンドラインとサポートラインが交差する価格帯となるが、その価格帯まで更に急落した後に反発が見られれば、市場が注目する「セリングクライマックス」との見方も強まることから、現在のフィボナッチの抵抗線は極めて重要な価格の攻防に当たる。
2.新たな仮想通貨市場関連のファンダメンタルズ要因
相場の状況を悪化させているファンダメンタルズ要因として挙がっているのが、ビットコインキャッシュ騒動や、それに伴うハッシュ戦争の行方、また分散型取引所まで取り締まりの動きが強まることが明らかになったことで、これまでグレーゾーンを攻めていた仮想通貨のプロジェクトにも危機感が広がっている状況だ。
そのように厳しい動きの中で、この暴落の状況を更に後押ししかねない新たな情報が出てきた。
それは、以前業界の懸念材料にも上がるテザー社に関する相場操縦の捜査が行われているとの報道だ。
同ニュースを報じたブルームバーグによると、米司法省(U.S. Justice Department)は、昨年末のBTC高騰を作為的にテザー社が釣り上げたか否かという点で、価格操作に関連する捜査に乗り出したというものだ。
テザー社はこれまで、USDTの準備金が担保されているかという疑惑が浮上している他、USDT発行タイミングとビットコイン相場急騰の関係性が指摘されるテキサス大学の研究者の論文が発表されるなど、価格操作面でも疑惑の目が向けられていた。
今回の捜査は、CFTC(米商品先物取引委員会)と連携して行う予定で、spoofingと呼ばれる偽注文など見せ板での価格操作や、USDT発行の仕組みなども、厳しく追求される模様で、仮想通貨市場において悪材料との見方も出てくることが予想される。
相場への影響として懸念されるテザー問題の進展だが、BTC価格を作り上げていた事や、USDTの担保金がない状況が、米規制機関による捜査で明らかになった場合、その影響は計り知れない。
そのような観点から見ても、ビットコイン相場が弱っている状況で、極めて厳しい悪材料が舞い込んだことになる。
XRPやXLMの強さ
ビットコインを中心に全面安相場になった仮想通貨市場ではあるものの、その中で注目されたのが、XRPとXLMの強さだ。
急落を記録した日本時間昼過ぎの相場全体の状況を見ると、その動きの強さは明らかで、他の通貨が前日比2桁台に突入する全面安相場の中で、一桁台の下落率に留まった。
BTCや他の通貨が暴落する中で、低い下落率に留まったXRPは、BTC建で上昇相場を形成し、フィアット建BTCチャートに相反する動きを見せている。
ビットコインキャッシュのハッシュウォーの影響でPoW通貨が売られた傾向に反して、独自ネットワークを持つXRPとXLMに資金が入ってきている状況は、CNBC著名トレーダーであるRan Neuner氏も指摘していたが、本日XRPの出来高ランキングで上位に位置するBinanceなどの状況を見ると、BTCやETH建のXRPペアが、他の通貨ペアの数倍にも当たる出来高まで急増している状況が見られており、市場暴落の中で、これら2つの通貨へ資金移動があったことを示す一つの指標だ。
These hash wars highlight why everyone should dump BTC and BCH and just put all their money into XRP!
— Ran NeuNer (@cryptomanran) 2018年11月17日
相場全体が下落相場にあることから、仮想通貨市場外への資金流出が起こり得る状況にあるが、株式を中心に金融マーケット全体の状況が厳しいことも踏まえると、相対的に市場内でXRPやXLMに資金が集まった可能性は十分に考えられるだろう。
特にXRPは、Coinbaseカストディに新規追加されるだけでなく、新たにNY州金融当局が新たにビットライセンスを発行した企業NYDIG Execution LLCのカストディでも取り扱われる予定であることや、これまで懸念材料であったXRPの証券問題に関する集団訴訟が連邦裁判所へ移転したことなど、プラスの動きもある。
また、リップル社が発表したxCurrent4.0で、仮想通貨XRPを利用するxRapidへの接続が可能になったことも大きく、市場全体が総悲観に置かれる中で、単独ファンダによる中長期的な期待感も、XRPの相対的な強さに繋がったかもしれない。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株
テック株の暴落に伴う米国ダウの急落と、アジアの株安を嫌気した海外の金融機関など短期筋が再び先物売りが先行していることで、日経平均株価が300円安。
軟調な株式市場に加え、仮想通貨ビットコインが一時前日比-15%の大暴落したことにより、仮想通貨(ブロックチェーン)関連株にも投げの連鎖が続き、全面安の様相を呈している。
ビットコイン価格の急落で「損益分岐点」を大幅に下回るのではとの観測から、ビットコインなどのマイニング事業を行なっている企業の下落率が特に高く、GMOグループ(9449)が-8.77%安、SBIホールディングス(8473)が-7.06%安となっており、厳しい情勢になった。
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— CoinPost -仮想通貨情報サイト- (@coin_post) 2018年10月12日
引用元: CoinPost
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