コンスタンティノープルテストネットブロック決定とProgPoWの進行
イーサリアムは年末にコンスタンティノープルフォークを控え、前回のコアデベロッパー会議で決まっていた10月9日のテストネット”ロプステン”のハードフォークを今回の会議で決定しました。本稿では、イーサリアムの大型アップデートに関する最新情報について記述します。
ETH速報:イーサリアムのテストネット"ロプステン"でのコンスタンティノープルブロックナンバーが420万に決定。ブロックタイムが不安定な事から、前後するが前回の決定の10月9日予定 #イーサリアム #Ethereum #仮想通貨 #コンスタンティノープル #ハードフォーク https://t.co/8MKzycShdf
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) September 28, 2018
1.メジャークライアントのコンスタンティノープルテスト準備完了
イーサリアムのメジャークライアントであるGeth、Parity、cpp-ethereum(aleth)、ethereumJは全てのEIP実装を終え、新規クライアントのMana、Nethermindも同様に実装を終えているため、予定通りとなっています。7割のクライアントが実装を終えたことで、テストネットのロプステンをハードフォークし、コンスタンティノープルの実装テストへ移行します。
今回の会議で10月9日にフォークするために、ブロックナンバーを#4,200,000と決定。ただし、ハッシュレートにより安定しているメインネットと違い、テストネットはブロック時間平均が安定していないため、実際には前後すると考えられます。
また会議ではGethの新バージョンを2週間以内にリリース予定です。
出典:https://github.com/ethereum/pm/issues/53
スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
2.EIP-1108
今回の会議では、既に実装されている5つのEIPとは別に、OPCODEの0x06 ECADDと0x07のECMUL、0x08のペアリングチェックのガスコストを減少するEIP-1108について話合われました。
実装事態は賛成であり、このようなコスト削減はハードフォークが必要となる一方、デベロッパーは安全な実装を子なうための「テストが最もと重要である」とし、
「例え小さな変更であっても、大きなプレッシャーとなる。今回の場合は次のフォーク(イスタンブール)で行うほうが良い」
との意見があり、現状のタイムスケジュールからもテスト1つで2~3ヶ月を有するため、次回のフォークへと追加されると見られます。
3.ProgPoWの実装
今回の会議では再度ProgPoWについて話合われています。コアデベロッパーはSharding+Casperのeth2.0に開発の重点を置いており、ProgPoWの導入にはあまり積極的ではありません。
3-1.イーサリアムがProgPoWを必要とする理由
イーサリアムは現在、Dagger-hasimotoの改良版となるEthashをマイニングのアルゴリズムに使用しています。ですが、EIP-186に計画される今後のマイニング報酬の減少、つまりここでいうEIP-1234からBitmainのASIC Antminer E3による中央集権化や、BitmainのイーサリアムASICマイニングによる中央集権化問題が存在します。
実際に、収益のマイナス化により電気代の高い地域からマイナーが撤退しており、PoWで最も重要なハッシュレートパワーと分散という面において、Casper移行までにセキュリティ低下が考えられます。そのため、対策となるEIP-1057 ProgPoWが提案されており、マイナー間で盛んに議論されています。
ETH速報:現在のEthash(イーサリアムのPoW)を改良するEIP-1057 ProgPoWの提案がされる。Casper移行によりGPUマイナーが撤退した後にASICにより51%攻撃が段階的に容易になる点を指摘とその対策https://t.co/n2hIz3viJh#イーサリアム #Ethereum #仮想通貨 $ETH #ブロックチェーン #EIP1057 #マイニング
— 墨汁うまい(Not giving away ETH) (@bokujyuumai) June 4, 2018
スポンサーリンク
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
3-2.EIP-1057 ASIC対策の実装
今回の会議では、ProgPowを開発するifdefelseからMiss. IfとMr. Defをゲストとしてリサーチ情報を共有しています。
CPU検証でスローダウンするバグの修正などのマイナーアップデートとGethとcpp-ethereum(以下C++とする)への実装の完了を報告し、現在のコアデベロッパーの興味が得られないことから、優先すべきではないと述べています。
対して、C++のデベロッパーは実装は十分ではないとしており、ヘッダー検証に1秒以上を有するなど多くの問題を抱えていると述べています。また、現在のEthashとProgPowを置き換えのみであるため、両アルゴリズムを維持する必要性も主張しています。
ifdefelseによると、原時点ではGethとC++のフォークに実装のみで、プルリクエストは一切行っていない状態であるため、ifdefelseのリポジトリ内に開発はとどまっているとしています。
レポジトリ:https://github.com/ifdefelse?tab=repositories
4.結論と考察
これらをまとめると、ProgPoW実装には長期のテストが必要であり、コンスタンティノープルは既に5つのEIPで決定しているため、次のコンスタンティノープルの8ヶ月となるイスタンブールフォーク以降での実装となることになります。
マイナーが急ぐ理由としては、EIP-1234からの収益低下による問題からマイニング効率のいいASICを排除したいという目的があるわけですが、デベロッパーはコンスタンティノープルとDEVCON4、eth2.0やそれに準ずるEwasmなども手が避けない状態であるため、マイナーが望むよりさらに長期間かかると予測されます。
また次回はDEVCON4前となるため、今回よりさらに簡易な内容になると予測されます。
前回の会議はこちら
コアデベロッパー会議47 https://www.youtube.com/watch?v=z2mefVnZHpw
The post コンスタンティノープルテストネットブロック決定とProgPoWの進行 appeared first on イーサリアム・ジャパン.
引用元: イーサリアム・ジャパン
「イーサリアム」カテゴリーの関連記事