Huobi研究所提供ブロックチェーンビッグデータWeekly Report:上位10通貨のうち発行枚数に対して取引量が多かったのはETCに
- Huobi研究所提供ブロックチェーンビッグデータWeekly Report
- 仮想通貨取引所の中でも大手取引所のHuobi社の研究所でリリースされているレポートをCoinPostで日本語に訳し、皆様にお届けいたします。
今回は主に「ブロックチェーン上のデータ」と「ソーシャルメディアデータ」、「マーケットデータ」の3点をピックアップ。
ブロックチェーン上でのデータで大口取引の動きや、GitHubを含むソーシャルメディアデータ等でどのプロジェクトや通貨に進捗が見られるかなどチェックし、お役立て下さい。
概要
8月15日〜8月22日の一週間で、BTCネットワーク上で動きがあったアドレスの数は333万件から328万件へと5週連続で減少しました。10,000BTC以上のトランザクションの数は7つあった他、1,000から10,000BTCのボリュームのトランザクションの数は523へ減少しております(先週のトランザクション数654)。
トランザクションの回数においては、10〜100BTCで決済した回数は、全体の決済数の32.8%を占めております。また、 BTC保有量上位30位のアドレスにおいては、3つのアドレスの保有量が大きく変動し、増加したアドレスがそのうち2つ、減少したアドレスが1つとなっております。
1.ブロックチェーン上のデータ
1-1.動きがあったBTCアドレス
8月15日から8月22日の一週間で、BTCネットワーク上で動きのあったアドレスの数は333万件から328万件へと、5週連続で減少しております。
新規に増えたアドレスの数は約131万件となっており、継続的に使われていたり、動きのあるアドレスの数は先週比5.4%減の56万件となり、今週動きのあったアドレスの数全体の17.1%を占めております。また、数週間ぶりに動きのあったアドレス数は先週比2%減の141万件となりました。
1-2.BTCの取引ボリューム及びトランザクション回数
BTCネットワーク上の全体のBTC取引ボリュームは先週比13.3%減の599万となった他、トランザクションの回数は、先週からやや減少となる約150万回となりました。
また、BTCネットワーク上でのトランザクション時における平均BTCボリュームは先週比13.1%減の3.98BTCとなりました。
1-3.BTC毎秒ごとの平均トランザクション回数(TPS)
今週のBTC毎秒ごとの平均トランザクション回数(TPS)は先週とほぼ変わらずの2.49回となりました。
1-4.BTCのトランザクションコスト
今週、BTCネットワーク全体における総トランザクションコストは先週比16%増となる158.4BTCとなりました。また、今週の平均トランザクションコストにおいても先週比22.2%増となる0.00011BTCとなりました。
1-5.BTC保有量の占有率
一部のアドレスに対するBTC保有量の占有率は増加しました。
BTC保有量の上位10アドレスの全体に対する占有率は先週比0.03%減となる6.01%となり、上位10〜100位のアドレスの占有率は先週比0.02%減となる13.18%となり、上位100〜1000位のアドレスの占有率は先週比0.14%増となる16.79%となりました。
それに対し、それ以外のアドレスの占有率は先週比0.09%となる64.02%となっております。
1-6.BTCにおける大口取引のデータ
Huobi研究所は「超大口取引」を1万BTC以上と定義し、「大口取引」を1万未満から1千BTC以上の取引と定義しております。
今週、超大口取引は計7回行われており、この取引で合計93936BTCのBTCが取引されました。また、大口取引は654回から533回に低下しております。
1-7.ボリュームごとのトランザクションデータ
今週のトランザクションの回数は全体的に減少しました。
100〜1000BTCものボリュームのトランザクションの数は先週の217万件から163万件へと減少し、全体のトランザクション数に対し27.2%を占めております(参考:先週の占有率は31.4%)。
また、10〜100BTCのボリュームのトランザクションの数の全体に対する占有率は32.8%と、先週の30.1%から増加しております。
1-8.BTC保有量上位30アドレスの残高変化
今週、BTC保有量上位30アドレスの内、3つのアドレスに大きな動きがあり、そのうち増加したアドレスは2アドレスで、減少したアドレスは1アドレスとなりました。
2.ソーシャルメディア
2-1.キーワード分析
Reddit’s r/CryptoCurrency Subreddit をNLP分析という手法で調査し、仮想通貨、イベント、取引所及びインフルエンサーの3つのカテゴリーにおいて、海外トレンドとセンチメントに関して分析しております。
仮想通貨
同分析において、Bitcoin、USDT、Ethereumは今週最も注目された仮想通貨となりました。
BitcoinとEthereumの場合、主に価格とトレーディング戦略について話題となっており、USDTに関しては、テザー社が5000万USDTを発行した事が関心事となっております。
イベント
ETF、Bot、Walletが今週注目を集めたキーワードとなっております。
BotはBot取引を中心に、ETFは米国で非承認となったETFについて、ウォレットは人気ウォレットのセキュリティに関して話題となっておりました。
取引所/インフルエンサー
同分析によると、Coinbase、Binance、Vitalikが今週注目を集めております。CoinbaseとBinanceは投資家を中心に話題となり、Vitalik氏に関しては、最近同氏が公開した論文「Vitalik” refers to discussions on Vitalik’s latest article “A Guide to 99% Fault Tolerant Consensus」が話題となっております。
更に、今週のトレンドトピックとしてはRisk、PoS、セキュリティ、Doge(通貨)が最も話題となっており、一方でエコノミー、BNB(通貨)、マイナー、Dash(通貨)、テレグラムに関するトピックの注目度が低下しました。
2-2.GitHubでの開発に関する動き
GitHub上での全ての仮想通貨に関する動きの中で、ETH、BTC、EOSの3つのプロジェクトが最も注目されました。一方で、ADA、TRX、ETHは最もプロジェクトの開発に関する進捗の進展があったようです。
3.マーケットデータ
3-1.Return/Priceのボラティリティ比率
今週、時価総額上位10の仮想通貨の価格は全て上昇しました。
XRPの上昇が最大で、26.7%増となりました。
それに対し、ステラ(XLM)の上昇率がその中での最低値となる2.3%となっております。
また、ボラティリティに関しては、BTCのボラティリティが最も小さく、0.0028s.d.(基準:15分足)となり、ステラは最も大きく、0.0101s.d.となりました。
3-2.仮想通貨合計流通量に対する取引高の割合
今週、仮想通貨の全体流通量に対して取引高の割合が高かったのは、ETC、EOS、TRXであり、以下の通りとなっております。
- 1.ETC 先週223% 今週183%
- 2.EOS 先週109.5% 今週116.2%
- 3.TRX 先週65.2% 今週64.2%
一方で、取引高の割合が低かったのは、XMR,STR,XRPとなり、以下の通りとなっております。
- 1.XMR 先週11.8% 今週11.6%
- 2.STR 先週12.5% 今週13.7%
- 3.XRP 先週16.5% 今週19%
仮想通貨の連動率
仮想通貨の値動きは違う通貨とある程度同じような値動きをし、その連動率について調査しております。今週、ETCを除いて、時価総額上位10通貨は高い連動率を見せました。
特にEOS/BCHとLTC/ETHは非常に高く、それぞれ0.97、0.96という連動率だった一方で、ETC/STRとTRX/ETCは低く、それぞれ0.36と0.41という連動率となりました。
Huobi研究所について
Huobi研究所は、仮想通貨取引所を運営しているHuobiグループによって2016年4月に設立され、2018年3月に、ブロックチェーン分野における技術開発・業界調査分析・応用研究・コンサルティングを目的としたより高度な組織へ発展を遂げました。
また、経済、金融、AI、法律等様々な分野に精通する人材を多く抱えている他、世界のあらゆるブロックチェーンに関する学術団体や大学、研究施設と提携しており、Huobi研究所の所長を務める袁煜明(Hubery Yuan)氏は、元産業保安研究所の副院長兼TMT(テクノロジー・メディア・通信業界)主席アナリストを務めた人物であり、New Fourtune社から「ベストアナリスト賞」を受賞しております。
また、同研究所はブロックチェーン分野の研究基盤を構築し、業界に対してより明確に根拠のある理論や研究成果を提供する事で、業界及び産業の発展を促進する事を目指しております。
Huobi研究所の理念として、「ブロックチェーンのエコシステムを構築し、より良い未来に貢献する事」を掲げております。
Huobi Japan公式アカウント
※注意事項
今回の記事はあくまで、調査レポートを元にCoinPostの考えを述べたもので、仮想通貨の値上がりを保証するものや、投資を奨励するものではございません。仮想通貨への投資の際は、価格変動リスク、信用リスク、流動性のリスク等、リスクを確認した上、ご自身の責任の下で投資を行いましょう。
引用元: CoinPost
「仮想通貨全般」カテゴリーの関連記事