コスタリカで給料の一部に対し仮想通貨が支払われる
中南米の国コスタリカでは、労働者への給料の一部を仮想通貨で支払う動きがあると地元メディアのThe Costa Rica Newsが報じた。同国では法律で定められた最低時給分が法定通貨コロンで支払われていれば、残りの給料をお金以外のモノなどで支払うことが許されている。
コスタリカの労働者は、法定通貨以外の準貨幣を給料の一部として受取る場合がある。準貨幣とは流動性があり、かつ価値の保存手段として認められた資産で、支払い手段としても使うことができるものだ。そのため世界中で取引され、一定の価値を担保しているビットコインのような仮想通貨は準貨幣に該当すると言える。
Rolando Perlaza弁護士によると、コスタリカでは給料の一部に対する仮想通貨支払いが一種のトレンドになると話す。
「仮想通貨が法定通貨の代わりになるということはありえない。しかしコスタリカでは給料の一部を法定通貨で受け取ることもできるため、仮想通貨を労働の対価として受け取りたい人にとっては、働く際の大きなモチベーションとなるだろう」
ビットコインはコスタリカでも徐々に浸透しており、複数のビットコインATMが設置されている。また企業や店舗などは仮想通貨の支払受付をすでに開始しており、その数も増加傾向にあるようだ。
仮想通貨のマイニング事業を展開するSH Mining TechnologiesのDaniel Yepez氏は、仮想通貨が今後コスタリカに根付いていくと予想している。
「マイニングの問題点として大量の電気消費が挙げられるが、コスタリカでは100%再生可能エネルギーを使ったマイニングを行うことができる。我々の工場では太陽光と風力を活用しており、再生可能エネルギーを活用することは、我々の収益性がアップするだけでなく環境にも優しく、これからのビジネスに欠かせないコンセプトだ」
コスタリカのような新興国で仮想通貨が広がりをみせているのには、法定通貨の価値が大きく減少していることが関係しているのかもしれない。2015年末からアメリカでは連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを実施しており、新興国から資本が流出し法定通貨の価格の下落が目立つ。
コスタリカと同じ中南米に位置するアルゼンチンでは、今年に入り法定通貨ペソがドルに対して30%以上価格が下落している。物価の上昇率を表す2018年のインフレーションは、25%を記録している。コスタリアの法定通貨コロンはここ一年間ドルに対して価格が安定しているものの、FRBが利上げを開始した翌年2016年頃から安値方向で推移している。
FRBのパウエル議長は今月18日に良好な米景気を根拠に「段階的な利上げの継続が最善の策だ」と発言しており、9月にもさらなる利上げを示唆したことから、新興国の通貨安傾向は今後も継続するものと思われる。新興国の法定通貨の価格が継続的に下落し物価が上昇すれば、コスタリカのように給料の一部をビットコインのような他の資産で受け取りたいという需要は高まると考えられる。
引用元: ビットコインニュース
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