韓国、ブロックチェーンを新たな産業として区分化し発展を促す
韓国政府はブロックチェーン関連事業を既存の枠組みを超える新たな産業として区分化し、活動に合った規制を通じ産業全体の健全な発展を目指す。一般に農業を中心とした第一産業、製造業を中心とした第二産業、サービス業を中心とした第三産業が存在する。同政府が新たな産業を区分化するのは初だと地元メディアのBChainは報じている。
統計庁、科学技術庁、情報通信庁など複数の省庁が共同でブロックチェーンをひとつの産業として認定するための書類を作成している。ブロックチェーンに関連する業を大きな枠組みとし、さらにその中から仮想通貨取引所、非中央集権アプリケーション(DApps)、暗号通貨取引などの定義を業種別に行い、異なる10業種に細分化する。ブロックチェーンの活用方法別に分類することで、それぞれの目的に合った細かいルールを適用することができる。
取引所は暗号資産取引ブローカーとして定義され、銀行と同様の金融規制機関とみなされる。イーサリアムやEOSのようなプラットフォーム型ネットワークはブロックチェーン・システム・ソフトウェアと定義され、そのプラットフォームを活用して特定の作業を行うアプリはブロックチェーン・アプリケーション・ソフトウェアと定義される。
韓国では先月、BithumbとCoinrailの取引所が立て続けにハッキング被害に遭い、仮想通貨を盗まれる事件が発生している。取引所には今後、顧客確認(KYC)や反マネロン(AML)などのコンプライアンスがより強く求められるようになり、政府の基準に満たない取引所は営業停止となる。
新たな規制方針が混乱の種とならないよう韓国政府は、関連業者及び金融機関などからも業種の定義や規制についてのヒアリングを行っている。また、ブロックチェーンを産業化するための書類は、ヒアリングでの情報が加味され今月末までに完成する予定だ。
ブロックチェーン関連事業を新たな産業として発展させようとする韓国とは対象的に、中国では仮想通貨取引が禁止されている。PBoCは昨年9月、仮想通貨が及ぼす金融リスクを理由に仮想通貨取引及びイニシャル・コイン・オファリング(ICO)の発行・販売を禁止している。
中国人民銀行(PBoC)は今週、ビットコインの人民元建て取引が世界の1%以下に低下したことを報告している。
2016年のピーク時には世界のビットコイン取引の90%以上が人民元建てであったことに鑑みれば、人民元の影響力が大きく低下したことがわかる。
中国国内で仮想通貨取引が禁止されたことを受け、海外へ拠点を移す取引所が続出した。コインマーケットキャップによる7月9日付けの仮想通貨取引所ランキングは上から、Binance、OKEx、Huobiといずれも中国系の取引所ではあるが、中国国外に拠点を構えている。
最近の大手取引所の流れとして、規制の緩い国に拠点を構える動きがある。BinanceとOKExは香港やマルタなどの複数の国に拠点を持つ。シンガポールに拠点を構えるHuobiは先週、オーストラリアでサービスを開始すると発表している。
一般にIT企業は海外にいくつも拠点をもち税制の優遇措置を受けやすくし、規制リスクを回避しようとする。仮想通貨取引所も同様の理由で海外に複数の拠点を設置していると推測される。
仮想通貨に対する規制方針は各国の思惑や経済状況が反映されるため、それぞれの国で対応は大きく異なり、関連技術の発展にも大きな影響を与える。今回の韓国政府の動きは、国内のブロックチェーン技術の発展を手助けすることになるだろう。
引用元: ビットコインニュース
「ビットコイン」カテゴリーの関連記事